内藤早苗「日傘」

私が惹かれた二つの理由

千成堂着物店として数多くの品に触れる中で、私が大切にしている基準は二つです。それは理屈抜きに気分が上がること、そして装いを完成させてくれる力があることです。内藤早苗さんの注染日傘は、その両方を満たしてくれました。

涼やかさを纏う「My Lily」

内藤早苗日傘青

一本目は「My Lily」の青です。潔いブルーに惹かれました。百合の紋章のような凛とした図案ですが、注染特有のにじみやゆらぎが表情を和らげています。白のワントーンやネイビーの装いに合わせるのが私のおすすめです。

青い日傘は一見難しく感じますが、実は肌のくすみを飛ばしてくれる色です。周囲に涼しげな印象を与えながら、自分自身のパーソナルスペースを清らかに保つ感覚で持ち歩けます。夏のぼやけがちな輪郭を、この青が整えてくれます。

奥行きを愉しむ「かわいい雪」

内藤早苗日傘黒

二本目は「かわいい雪」の黒です。日傘は黒が最も遮光性に優れて便利ですが、真っ黒な素材は夏には重く見えがちです。この日傘は白く抜かれた図案がリズムを生んでおり、織の着物やリネン素材の大人のカジュアルによく馴染みます。

名前は「かわいい」ですが、実物は非常にシックな佇まいです。雪の輪郭が黒のストイックさを程よく崩してくれます。ただの無難な黒を卒業して、意志を持って選びたい一品です。

日傘という最大のアクセサリー

日傘は、顔のすぐ近くにある最大のアクセサリー。内藤さんの作品には、人の手を通った温度があります。伝統技法を使いながらも、今の街並みに馴染むモダンさが備わっていると感じました。

クールにまとめたい日は青、シックに馴染ませたい日は黒。その日の装いと、なりたい自分に合わせて使い分けるのは大人の贅沢な楽しみです。あなたは、直感でどちらの表情に惹かれるでしょうか。