
京都の染匠、染の川勝さんが手がけた復刻作品、訪問着「荒磯(あらいそ)」をご紹介いたします。
お客様であるS様が着物雑誌で一目惚れされたというその作品は、当時すでに完売となっていました。しかし、保管されていた図案や加工データをもとに、復刻制作にお応えいただきました。
重厚な生地に映える、よどみのない地色と洒脱な職人技

しっとりと重厚感のある生地に、重ね引きによって染め上げられた深い緑の地色が吸い込まれるような美しさを放ちます。
手描き糸目で軽やかに引かれた一筋一筋の線と、微かに瞬く金銀箔が水辺の情景を生き生きと描き出します。琳派など絢爛な世界観を得意とする川勝さんですが、その感性と本物の技が生きる洒脱な世界観も素晴らしいものがあります。
印刷物の記憶を再現する、卓越した感性と「色の調整」
特筆すべきは地色の調整です。「本という印刷物で見た」というお客様のお話をもとに「人の目が実際の光の中でどのように色を捉えるか」まで考慮して地色を整えたとのこと。
妥協のないものづくりの姿勢が表れるエピソードです。
細部まで美意識が研ぎ澄まされた、唯一無二の一枚
S様のご要望を取り入れて背面の柄行きも微調整、細部に至るまで研ぎ澄まされた作品に仕上がりました。
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